02スタッフの一日
「見守る介護」の大切さを学び
仲間とともに患者さんへ尽くす
介護の時間だけでなく、ゆっくり会話する時間も
一人ひとりの患者さんにじっくりと関われる環境
介護福祉士として、霞ヶ関南病院の回復期病棟である「やまぶき病棟」に勤務しています。患者さんの食事介助や排泄介助、入浴介助をはじめ、お部屋の環境整理など入院生活全般をお手伝いすることが仕事です。
時期にもよりますが、担当する患者さんは2、3人。一人ひとりの患者さんにしっかり関われるので、身体的な介護の時間が取れるのはもちろん、コミュニケーションの時間もしっかり確保できるんです。リハビリなどを続けていると、患者さんの中にはいろいろな形で悩みや不安が生じることがあります。そんなときは患者さんの話をゆっくり聞いて、少しでもリラックスした時間を過ごしてもらえるようにしています。
ときには、自分の専門領域外のことを相談されることも。そんなときは病院内の別の専門職で、同じ患者さんを担当しているスタッフに相談します。介護の目線や看護の目線、リハビリの目線と、領域ごとにさまざまな観点があります。そうした専門的な知見を集めて意見を出し合い、患者さんにとって最善だと思える対応ができることが霞ヶ関南病院の強みだと思っています。
「心を鬼にして、あえてお手伝いしない」
専門職スタッフとの連携で学んだこと
介護福祉士である自分としては「患者さんのことなら何でもお手伝いしたい!」と思うんですが、他の専門職スタッフからは違った観点でアドバイスを受けることもあります。
例えば理学療法士や作業療法士、言語聴覚士といったリハビリの専門職からは「自分でできるようになってほしいから、何でもかんでもお手伝いしてはいけない」と言われました(笑)。回復期の病棟なので、ここで過ごす時間を患者さんの退院後の生活に生かしてもらえなければ意味がないんですよね。あえて患者さんのお手伝いをせず、心を鬼にしてご自身でやっていただかなければならないときもある。「ただ見守ることも介護の大切な仕事」だと教わりました。
それからは患者さんごとにちゃんと目標を設定して、「家に帰ったらどんな風に過ごしたいか」「自分でどんなことができるようになりたいか」といったことを会話しながら接するようになりました。「患者さんが家に帰って、不安なく過ごしてもらうために最大限のことをしよう」。職場の仲間はそんな思いを共有しているので、コミュニケーションも連携もスムーズ。自身の仕事の幅も広がり、非常に勉強になる場所だと思っています。
コミュニケーション以外の仕事を効率化して
「気を遣わせない介護」を実践していきたい
真正会への入職は21歳のとき。入浴介助のアルバイトとしてスタートしました。福祉系の専門学校に通い、介護福祉士の資格を取ったのですが、もともとは施設で働きたいと考えて特別養護老人ホームなどを志望していました。しかし地元ではなかなか就職先が見つからず……。実は当初、「やむを得ず」始めたアルバイトだったんです(笑)。
ところが実際に職場に飛び込んでみて、優しく、丁寧に指導してくれる先輩スタッフの人柄にすっかり惚れ込んでしまいました。経験の浅い自分を心配そうに見ながら「大丈夫?」と声をかけてくださる患者さんもいましたね。人生の大先輩と会話し、いろいろなアドバイスをもらえるのはとてもありがたいことでした。そんな風に先輩の人柄を知ったり、患者さんとのやり取りに助けられたりしながら、「ずっとここと働こう!」と決意するようになりました。
これからの世の中の流れを考えると、自分たちの仕事はどんどん忙しくなっていくのだろうと覚悟しています。それでも、相変わらず患者さんにとって「いちばん近い存在」であり続けたいと思っています。患者さんとのコミュニケーションの量を減らしたくないので、それ以外の仕事はできるだけ効率化できるよう心がけています。こちらが忙しそうにしていると、患者さんに気を遣わせてしまうことがあるんですよ。何か話したいことがあっても「忙しそうだから後でいいや」となってしまう。それは本意ではありません。だから今は、「患者さんに気を遣わせない介護」が実践できるようになりたいと思っています。いかにも病院っぽい感じではなく、まるで家で過ごしているような感覚で日々を送っていただきたいので。そのために欠かせない存在の一人でありたいと考えています。
外来の一日
- 8:45
- 始業。
申し送り。患者さんの情報共有。 - 9:00
- 入浴介助や食事介助(胃ろうなど)。
- 10:00
- グループ活動。書道や音楽、体操などの誘導を行う。
おむつの補充、昼食のエプロン・食器準備、シーツ交換。 - 11:00
- 昼休み。ちょっと早めにランチ。
- 12:00
- 患者さんにお茶とおしぼりをお配りし、食事介助、口腔ケア、排泄介助。
- 13:00
- 食器の後片付けやエプロンの洗濯。ケアプランの実施・記録。
- 14:00
- 月曜はチームミーティング。水曜はケアカンファレンス(ケアプラン発表や退院した患者さんの報告、入院患者さんの状況報告)。
- 15:00
- ティータイムの援助。
- 16:00
- 更衣の介助(着脱)、排泄介助など。
- 16:30
- 夜勤スタッフへの申し送り
- 17:00
- 勤務終了